日経新聞の「世界を読み解く」に中沢新一氏登場。
今の世界は富める者に権力が集中し、貧しい者が疎外される『圧倒的な非対称』の状態にある。両者の間には理解を生み出す一切の交流が失われている。特に米国と対立の激しいアラブ世界では、米国という豊かな世界に対してテロという武器を使った極端に陥りやすい。「圧倒的な非対称」については中沢氏の近著『緑の資本論』でも述べられていました。人間の世界における「圧倒的な非対称」を原因とするテロの問題を、人間と他の動物における「圧倒的な非対称」を語ることで予言していたのが宮沢賢治だと書かれていたのが印象的でした。
宮沢賢治の『氷河鼠の毛皮』は、毛皮のために乱獲されている獣たちの、人間に対するテロリズムの話です。この物語では、毛皮を着ない帆布の上着の若者と、偽物の毛皮を着た人を律義に許す赤ひげが、ともに倫理的であるため、笑顔で手を握って和解できるのです。現実世界では、アメリカもテロ組織も明らかにやり方が悪い。(・へ・)
Posted by yatsu at April 9, 2003 06:33 PM