『シナリオ神聖喜劇』
Posted by yatsu Thu, 06 Jan 2005 05:55:21 GMT
- 『シナリオ神聖喜劇』
- 原作 大西巨人/脚本 荒井晴彦
買ってきた。 この本は資料的には価値がある。 兵器の写真と図解、内務班室内図、点呼時整列順などが載っていて、これだけのために買ってもいいと思う。
以下、少しだけ読んだ感想。
1. 時系列に直す必要はあったのか?
たとえば安芸の彼女との媾曳は回想シーンでいいのでは。 他の場面も時制が錯綜しているからおもしろいのでは。
2. 「東堂の声」は説明的すぎないか
もっと、好きに解釈しろくらいに突き放してもいいと感じた。
本当に映画化されるのだったら期待してます。 しかし僕を含め『神聖喜劇』ファンは評価が厳しそうですから、脚本家、監督は大変でしょうね。

ご無沙汰しております。耕田です。読んだときは私もyatsuさんと同じ感想でした。ところが、先日HOWSであった荒井晴彦さん澤井信一郎さんによる「シナリオ神聖喜劇を読む」に参加してきたんですけど、そこで、荒井さんはかなり意識的に時系列にしたということを話しておられました。詳しくレポする能力も記憶もないのですが、時系列が錯綜してるのがおもしろいというようなのは違う、そのままでいいんだ(?)、ということでした。映画の冒頭ではこの映画のテーマを提示したい、この映画は天皇制と被差別部落の映画だ、だから冒頭は飲み屋の話がいい、ということでした。あと、映画のクライマックスのひとつとして野砲訓練の場面がありますが、荒井さんは、確かに東堂が命中させるのは快感だけど命中の快感で終わるのは大西さんの荒さじゃないか、誰に命中させるつもりなんだ、人殺しの道具の扱いがそんなに上手になってどうするの、という反省が全くない、のようなことをおっしゃられまして虚を衝かれたような感じがしました(的外れな批判のような気もしないではないですが)。澤井監督、井土監督(普通のお客さんとして来られていました)の、東堂冬木は全然動いていないから魅力的じゃないという話もなかなか楽しかったです。映画化にはまだまだいろいろな困難があるようで前途多難という話でしたが映画ができあがる日が楽しみです。いきなり長文すみませんでした。
あ、耕田さんだ! hatenaから突然失踪(笑)されてから追っていないのですが、どこかで書かれているのでしょうか?
『シナリオ神聖喜劇』についてですが、そんなイベントがあったとは知りませんでした。
時系列については、僕のように考える人が多いのでしょうね。小説『神聖喜劇』がそれによって成功しすぎていますから。これは全部読んでから判断しなければいけませんね。←私
荒井氏の「命中の快感で終わるのは大西さんの荒さではないか」という指摘に反論してみます。 僕の場合は、荒井氏とは反対に、そこで終わらなければいけないと考えます(僕は命中の快感より、動作の型の美しさの方が重要だと思いますが)。 僕の考えでは、「人殺しの道具の扱い方」と考えることは過剰な物語で、それを否定するのが大西文学です。一見感情的に結びつけてしまいたくなるものを、論理的な理性で拒否するのが大西氏だと僕は思います。 「人殺しの道具の扱いがそんなに上手になってどうするの、という反省」をしてしまったら、それは大西氏に釣られてしまったことになるのではないでしょうか。僕は大西氏が、意識的に「人殺しの道具」であることを無視したのだと思います。なので、ここで釣られずに、純粋に動作の美しさを堪能するのが、『神聖喜劇』の楽しみ方だと思います。 また、東堂は柔道の達人でもありますが、それを実際に使うことは封印していました。ここでも、技術とそれの使用は別であるという考えが窺われます。 それにですね、こんなこと言われちゃうと、僕も「剣道」とかできないですから!