ゲーオタのためのロマン主義講義(FF2の構造分析) [3]

Posted by yatsu Sun, 01 Oct 2006 00:23:12 GMT

さて、いよいよFF2の分析に入ります。が、すぐに終わりますのであまり期待しないように :) だって、長い会話があまりないんだもん。

ネタバレ注意はすでに書きましたが、それ以外に注意しておきたいことがあります。 FF2にはロマン主義的なところが多数ありますが、ロマン主義ですべてを理解できるわけではないし、それに反するところもあります。 また、あるエピソードをロマン主義として解釈したとしても、それがロマン主義を意図して作られたことは意味しません。ここでは製作者の意図は問題としません。 ロマン主義の説明としてFF2を利用させてもらうということです。 よろしくお願いします。

第3回講義 – ロマン主義の敵・味方

前回、ロマン主義は啓蒙主義の規範に反抗するものだと書きました。 FF2は帝国という規範を打倒し、ロマン主義的個人の開放を目指します。 初めは「貴様ら、反乱軍だな!」とキャプテンにボコボコにされますが、最終的には皇帝に「お前はいった・・い な・・にもの?」と言わせるのです。 「反乱軍」という規範的理解を打倒し、「お前」という個人を認めさせる。 これがロマン主義の勝利です。

FF2の味方はロマン主義的傾向をもっています。

「シドは飛空船のためにすべてを犠牲にした。地位も、名誉も、家族もすべて…」

シドは、地位、名誉、家族といった社会的つながりを基準にした理想を犠牲にし、自分だけの理想を追い求めたのです。 いわゆる男のロマンです(ちょっとこの言葉はネタ化しすぎだけど)。(*1)

一方、敵はロマン主義が嫌う性質をもっています。

ボーゲン「おら! おら! おら! 働け!! 1日でも早く完成させろ! そうすれば俺様はもっと出世できるんだ! おら 働け!!」

ここからロマン主義的本音を取り出すと、以下のようになります。

  • 他人の目的のために働くなんてまっぴらごめんだ
  • 出世なんてくだらない

この味方と敵の分析から、ロマン主義の良い点と悪い点が見えてきませんか? 次回はいきなりエンディングシーンを分析します。


(*1)

なぜ「男のロマン」があって「女のロマン」がないかというと、もともとロマン主義は「乙女の吐息」とか「お姫様」みたいに、情緒的で女々しい傾向があるので、そうでないものに「男の」をつける必要があったからです。

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