mixi「樫村晴香」コミュニティ

Posted by yatsu Sun, 08 Jul 2007 05:15:54 GMT

mixi「樫村晴香」コミュニティの管理人を前任者から引き継ぎました。

これで、私が管理するコミュニティは「大西巨人」、「栗本慎一郎」、「樫村晴香」の3つになりました。コンピュータの人なのに!

さて、樫村コミュを引き継いだはよいものの、樫村氏は超寡作の人で何をやっているのか全然わからないので、やることがありません :)
樫村晴香のページ(保坂和志公式ページ内)だけチェックしておくことにします。

樫村氏共著の新曜社ワードマップ『資本主義』すら絶版なので、樫村晴香の本というものは存在しないと思われます。 樫村ウォッチャーは、雑誌に発表された短文と対談、ネット上のテキストを拾い集めなければなりません。

対談であれば、保坂和志『言葉の外へ』に、保坂氏との対談(と呼ばれる講義)が収められていて、おそらくこれが最も入手しやすいものです。

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冬について熱く語るよ

Posted by yatsu Fri, 23 Feb 2007 02:53:51 GMT

僕が好きな季節は冬です。 ということを言うと、そういう寒くて不毛な季節を好むのはいかにも君らしいね、という反応をいただくわけですが、ちょっとそこには誤解があるのです。

人間だれしも寒いのはつらいです。 僕も暖かいのが好きです。 しかし、ただ自然に暖かければよいというわけではありません。 春と秋はただ自然に生ぬるい。 夏は暑いだけ。 しかし冬は寒いから暖を取る。 これがいいんじゃないですか。 つまり、夏の暖かさはPUSH型で、冬の暖かさはPULL型なのです。 暖かさを自ら得る、コントロールを自分がにぎるというのが大事なのです。

それに冬の暖かさは多彩です。 焚き火に手をかざしても暖かいし、コートにマフラーでも暖かいし、手に息を吹きかけても暖かいし、寄せ鍋を食べても暖かい。 そして、そのどれもが違う暖かさなのです。

どうですか。冬が恋しくなりましたか? まったく今年の冬ときたら、不都合な真実ですよ。 早く氷河期来ないかなぁ。

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ゲーオタのためのロマン主義講義(FF2の構造分析) [5]

Posted by yatsu Tue, 03 Oct 2006 01:51:38 GMT

当初はエンディングシーンを使ってロマン主義を解説するつもりだったのですが、気がついてみれば、エンディングの分析に入る前に、語るべきことは語ってしまっていました。 今回が最終回です。

今まで説明してきたことをもとに、最もロマン主義が表現されているエンディングの会話を読み解いてみましょう。

第5回講義 – おわった……やっと……

皇帝を倒し、脇役たちとのあいさつが終わると、主人公たちのかっこよくてうっとりとさせる会話が始まります。

ガイ「おわった……やっと……
フリオニール「ああ!!
マリア「また4人で暮らしましょう!
フリオニール「……
マリア「ね、兄さん!
レオンハルト「おれたちは いろんな事を知りすぎた…
 もう昔には、帰れない……
マリア「兄さん…なぜ? 待って!
 フリオニール、兄さんを止めて!!
フリオニール「マリア おれには止められない……
 レオンハルトの言ったとおりだ……
 レオンハルト、いつの日か、きっと!
フリオニール「さあ おれたちも行こう!
 これからが、本当の始まりだ!!
(参考: ファイナルファンタジー2 データベース)

まず、レオンハルトの「おれたちは いろんな事を知りすぎた」から見ていきましょう。 ロマン主義では、知ることは単純な進歩を意味しません。 何かを知るということは、そこで得た知識によって将来の行動が拘束されることを意味します。 そのため、知るということが否定的に意識されるのです。 そしてロマン主義は、可能性がより開けていた過去を懐かしみます。 「もう昔には、帰れない……」がそれです。

反対に、皇帝にとっては、知ることは力を意味します。

皇帝「いい見世物だったぞフリオニール
 おまえたちの正体などすでに、見切っておったわ!
(参考: ファイナルファンタジー2 データベース)

あらかじめ知っているという事実が力をもつ。 ロマン主義はこの事実に立ち向かうのです。

続いてフリオニールの「レオンハルト、いつの日か、きっと!」ですが、ここでは、可能性を広げるために曖昧な言い方がされています。 「いつの日か」が「来年」ではだめで、「きっと!」が「きっと会いましょう!」ではだめなのです。 ただし、ロマン主義はただ曖昧さを求めているのではないことに注意してください。 可能性が狭められることを嫌うため、決定を嫌うのです。

最後に「これからが、本当の始まりだ!!」ですが、もう言うまでもないでしょう。 ロマン主義に終わりはありません。「本当の始まり」の後にも終わりはありません。 ロマン主義は永遠を夢見るのです

中途半端に長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、、、

ウボァー

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ゲーオタのためのロマン主義講義(FF2の構造分析) [4]

Posted by yatsu Mon, 02 Oct 2006 01:25:21 GMT

「ロマン主義」という言葉は日常的にはなかなか通じません。 うっかり口にしてしまうと、特定の社会状況を自分の興味分野にこじつけておもしろがっているだけとしか見てもらえません。 なにがロマン主義なのか、ロマン主義というものが歴史的にどのような意味、構造、対立をもっていたのかを意識すれば、ネット上などで見られる不毛な対立も意義あるものにできるのに、と感じることがあるのですが、それはまた今度書きましょう。

今回はFF2のエンディングについて書く予定でしたが、「ウボァー」について書くと予告してしまっていたので、今回は皇帝に死んでもらうことにします。

第4回講義 – ウボァーとイロニー

まず、みんな大好きな「ウボァー」を復習しておきましょう。

この私がやられるとは・・・
信じられ・・・ん・・・2度までも・・・お前に・・・
お前はいった・・い な・・にもの?
ウボァー
(参考: FF2攻略日記: ウボァー)

前々回の註(*1)で、「ウボァー」もロマン主義と解釈できると書きました。 そんなバカな! ネタ狙いすぎ! と思われてもしかたないですが、まぁ聞いてください。

「ウボァー」はなぜウケたのでしょうか。 ウボァーとは - はてなダイアリーから引用します。

皇帝自体が美形キャラであることと、あまりにもそれまでのセリフを覆すような断末魔だった為に話題となった。

これはロマン主義の重要概念「イロニー」なのです。広辞苑「アイロニー」から引用します。

アイロニー【irony】
(偽装の意のギリシア語から)
(1) 皮肉。あてこすり。反語。
(2)〔哲〕ソクラテスの用いた問答法。議論の相手を知者とし、自己は無知を装いながら、対話を通じて相手の無知をあばいた。
(3)〔美〕F.vonシュレーゲルを中心とするドイツ-ロマン派の用語。一方で対象に没入しつつ、他方でそれに距離をとって皮肉に見ることにより、自我をあらゆる制約から解放する態度をロマン的イロニーと呼んだ。イロニー。(*1)

美形悪役というわかりやすい形に没入させておきながら、最後に「ウボァー」という奇声によってそれまでの形を打ち砕く。 これによってロマン主義的自我が開放されるのです。

イロニーもまた、第2回で述べたロマン主義の根本原則から説明できます。 ロマン主義は自分を縛るものとしての規範を嫌うだけでなく、自ら構築するものに対しても、規範に収められないものを求めるのです。

しかし、このような解釈を知ってしまうと、「なにコイツ、ウボァーだってwww」みたいに純粋に楽しめなくなってしまいますね。 「おれたちはいろんな事を知りすぎた」のです。 おっと先走ってしまいました。 レオンハルトのこのセリフについては次回解説します。


(*1)

シュレーゲルほどわかりやすいロマン主義はなかなかないので、いくつか紹介しておきます。

われわれは、われわれ自身の愛を越えて高まり、われわれが崇拝するものを思考のなかで破壊することができなければならない。 さもなければわれわれには、他のいかなる能力が具わっていようとも、宇宙万有を理解する器官[感覚]が欠けていることになる。

そのようなわけで、われわれは、詩人の魔術にみずから進んで魅了されたあとで、この魔術から進んで身を振りほどきたいと思うのだし、そして一番やりたいことは、詩人がわれわれの目から遠ざけようとしたもの、もしくはすぐには見せようとしなかったものを、また、詩人を芸術家たらしめるのにたしかに最も大きく与っているもの、つまり詩人が密かに追求しているさまざまな秘密の意図を、探り出すことなのである。

これと同じ程度に、神の手に成るもののごとく素晴らしい作品[作物]を規範通りに価値判断するような芸術評価に対する反感も、呼び起こされる。 最も繊細で最も選り抜きの機知の饗宴を、誰が、種種さまざまの杓子定規な規則や慣例的なくだくだしい手順でもって、批評したいと思うだろうか? 『マイスター』についての、世に言うところの批評は、われわれにはつねに、本を小脇にはさんで森へ散歩にやってきて、フィリーネに郭公の歌で追い払われる青年のように見えることだろう。

教養ある者はだれでも、自分自身をはるかに越えて高められるその一方で、そこにただ自分自身だけを再び見つけ出すように思うのだ。 つまり偉大さとは、こうでなければならないかのような姿でのみ存在していながら、それにもかかわらず、われわれが要求してもよいよりもはるかに大いなるものである、ということにほかならない。

上記すべてフリードリヒ・シュレーゲル「ゲーテの『マイスター』について」(ヴァルター・ベンヤミン『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』に参考資料として所載)より。

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ロマン主義の次に何を書くか

Posted by yatsu Sun, 01 Oct 2006 22:44:36 GMT

「ゲーオタのためのロマン主義講義(FF2の構造分析)」の次に似たようなことをやるとしたら、『24』(Twenty Four)をネタに決断主義を書くか、『ドラゴン桜』をネタに啓蒙主義を書くことになると思います。 しかし、どちらも思想傾向があからさますぎて、意外性に欠けるかもしれません。

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ゲーオタのためのロマン主義講義(FF2の構造分析) [3]

Posted by yatsu Sun, 01 Oct 2006 00:23:12 GMT

さて、いよいよFF2の分析に入ります。が、すぐに終わりますのであまり期待しないように :) だって、長い会話があまりないんだもん。

ネタバレ注意はすでに書きましたが、それ以外に注意しておきたいことがあります。 FF2にはロマン主義的なところが多数ありますが、ロマン主義ですべてを理解できるわけではないし、それに反するところもあります。 また、あるエピソードをロマン主義として解釈したとしても、それがロマン主義を意図して作られたことは意味しません。ここでは製作者の意図は問題としません。 ロマン主義の説明としてFF2を利用させてもらうということです。 よろしくお願いします。

第3回講義 – ロマン主義の敵・味方

前回、ロマン主義は啓蒙主義の規範に反抗するものだと書きました。 FF2は帝国という規範を打倒し、ロマン主義的個人の開放を目指します。 初めは「貴様ら、反乱軍だな!」とキャプテンにボコボコにされますが、最終的には皇帝に「お前はいった・・い な・・にもの?」と言わせるのです。 「反乱軍」という規範的理解を打倒し、「お前」という個人を認めさせる。 これがロマン主義の勝利です。

FF2の味方はロマン主義的傾向をもっています。

「シドは飛空船のためにすべてを犠牲にした。地位も、名誉も、家族もすべて…」

シドは、地位、名誉、家族といった社会的つながりを基準にした理想を犠牲にし、自分だけの理想を追い求めたのです。 いわゆる男のロマンです(ちょっとこの言葉はネタ化しすぎだけど)。(*1)

一方、敵はロマン主義が嫌う性質をもっています。

ボーゲン「おら! おら! おら! 働け!! 1日でも早く完成させろ! そうすれば俺様はもっと出世できるんだ! おら 働け!!」

ここからロマン主義的本音を取り出すと、以下のようになります。

  • 他人の目的のために働くなんてまっぴらごめんだ
  • 出世なんてくだらない

この味方と敵の分析から、ロマン主義の良い点と悪い点が見えてきませんか? 次回はいきなりエンディングシーンを分析します。


(*1)

なぜ「男のロマン」があって「女のロマン」がないかというと、もともとロマン主義は「乙女の吐息」とか「お姫様」みたいに、情緒的で女々しい傾向があるので、そうでないものに「男の」をつける必要があったからです。

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ゲーオタのためのロマン主義講義(FF2の構造分析) [2]

Posted by yatsu Sat, 30 Sep 2006 08:02:10 GMT

(゚Д゚)ウボァー (*1)

あまり長引かせて期待させてもいけないので、なるべくさくっと終わらせます。 たぶん連載は2回か3回です(あれ、もう2回目か)。

前回、広辞苑の「ロマンチシズム」を紹介しましたが、ロマン主義というと、この広辞苑のように「夢や空想の世界にあこがれ、現実を逃避し、甘い情緒や感傷を好む傾向」といったいくつかの性質や側面が説明されるのですが、それよりも大切な根本原則が説明されることはほとんどなく、専門的な本を読まなければ理解できないという状況です。 上記のようなロマン主義的性質は、ロマン主義者が直接に目指したものではなく、むしろロマン主義によって生じた結果と考えるべきです。 このようなものだけを追いかけていては、本質にたどり着くことはできないし、神秘主義、ユートピア主義との違いも明確になりません。 ここではいちばん大事な根っこを説明しようと思います。

第2回講義 – 啓蒙主義とロマン主義

FF2のオープニングは、いきなり黒騎士の戦闘から始まり、パーティはなすすべもなく全滅させられます。 ロマン主義のオープニングでは、啓蒙主義の暴力に人間性はなすすべもなく敗れます。 ここから反乱軍たるロマン主義が組織されていくのです。

今回も広辞苑から、「啓蒙思想」を紹介します。

けいもう-しそう【啓蒙思想】
ヨーロッパ思想史上、17世紀末葉に起り18世紀後半に至って全盛に達した旧弊打破の革新的な思想。人間的·自然的理性(悟性)を尊重し、宗教的権威に反対して人間的·合理的思惟の自律を唱え、正しい立法と教育を通じて人間生活の進歩·改善、幸福の増進を行うことが可能であると信じ、宗教·政治·社会·教育·経済·法律の各般にわたって旧慣を改め新秩序を建設しようとした。(以下略)

ここでは広辞苑に文句はつけません(笑) (*1)

デカルト以降、それまで宗教的、感覚的に捉えれていたものが、合理的、自然主義的に捉えられることがわかってきました。 それが17世紀末以降、啓蒙主義という大きな思想の流れとなりました。

啓蒙主義は以下のような傾向をもっています。

  1. ただ一つの正しい解が存在すると考える
  2. 規範的なものを求める
  3. 理性であらゆる問題を解決できる
  4. 規範の積み重ねによって人類は進歩する
  5. 客観的

ある思想が流行すると、これがすべてだ(これでなんでも解決できる)という極端な傾向が生じてくるものです。 啓蒙主義は行き過ぎた合理主義をもたらしました。 ロマン主義とは、このような啓蒙主義に抵抗し、人間性を守ろうとする意志です。

最も重要な点は以下です。

  • ロマン主義は啓蒙主義に対抗するものである
  • ロマン主義は規範を拒み、個人の独自性を重視する

ロマン主義は啓蒙主義の合理性、規範性の性質から理解することが肝心です。 「乙女の吐息」も「中世のお城」もこの原則から導き出すことが可能なのです。

ロマン主義は、上で示した啓蒙主義と反対の性質をもっています。

  1. ただ一つの解など存在しない
  2. 規範的なものを拒否する
  3. 理性で捉えれないもの(情緒的なものなど)が重要
  4. 規範は可能性を狭め、人類は退廃する
  5. 主観的

3から「乙女の吐息」は説明できます。 4から、可能性をより多くもった過去の方が未来よりも理想的だという思想が出てきます。 ここから「中世のお城」が説明できます。 これらはどちらかというと、ロマン主義の副次的な性質と考えるべきです。 むしろロマン主義の本質に近いのは、「俺には俺の生き方がある」、「ナンバーワンよりオンリーワン」といった思想です。 そういう考えの人って多いでしょう? これが現代の現実生活においてもロマン主義という言葉が重要だと僕が考える理由です。

ロマン主義では「イロニー(アイロニー)」という重要概念がありますが、根本的な問題意識の時点から、合理性の理不尽さというイロニーが存在していたのです。

今回はおもしろいネタを書けなかったので、次回がんばります。


(*1)

FF2ファンへのあいさつ(のつもり)。
参考: ウボァーとは - はてなダイアリー

ウボァーまでもがロマン主義的に解釈できることを後で示します。

(*2)

啓蒙主義については、できれば別のシリーズで書きたいと思います。

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ゲーオタのためのロマン主義講義(FF2の構造分析) [1]

Posted by yatsu Thu, 28 Sep 2006 00:06:56 GMT

僕はよく「弁証法」とか「超越論的」といった専門用語(?)を日常生活で使ってしまい、よくわからんと言われることがあります。 「ロマン主義」もそういったもののひとつですが、この用語は知っておくと便利ですし、僕がこれからここに書こうとしていることにも関係しますので、わかりやすく説明しておこうと思います。

それではいきましょうか。

第1回講義 – 導入、「ロマン主義」とは

ロマン主義といえばノヴァーリス、シュレーゲル兄弟といったドイツロマン派がすぐに思い浮かびますが、ここではもっと身近(?)な例としてFinal Fantasy II(以下、FF2)を例に解説しようと思います。 これは単にわかりやすいというだけでなく、ロマン主義というものは高尚な文学や芸術に特有なものではなく、いたるところに見られるものだということをわかってもらおうという意図もあります。

FF2については完全にネタバレとなりますので、あらかじめエンディングまで見ておいてください(ちょ、、それ、つらすぎね?)。 なぜFFかというと、メジャーなゲームだからです。 なぜ「2」かというと、単に自分がストーリーをよく記憶しているからです。 ちなみに小学生の頃にファミコン版を1回やっただけですので、記憶に間違いがあるかもしれません。

まず、ロマン主義の一般的定義を紹介します。 広辞苑の「ロマンチシズム」には以下のように書かれています。

ロマンチシズム【romanticism】
(1) フランス大革命後19世紀初めにヨーロッパに展開された文学上·芸術上の思潮。ブルジョアの俗物性の支配する社会に反抗して、異郷や過去にユートピアを求め、個性·空想·形式の自由を強調した。(以下略)
(2) 夢や空想の世界にあこがれ、現実を逃避し、甘い情緒や感傷を好む傾向。

ここで扱う「ロマン主義」は(1)の方を指します。 一般的にロマン主義というと、「ロマンチック」という言葉からの連想で、漠然と(2)のようなものが想像されるようですが、この(2)は、ここで述べるロマン主義の一側面として、ロマン主義の本質から導き出されるものです(これについては後で述べます)。(*1)

ロマン主義を理解するためには、まず啓蒙主義を知らなければなりません。 歴史的にロマン主義は啓蒙主義への対抗として現れたものであり、啓蒙主義という前提がなければ、ロマン主義も存在しなかったはずだからです。(*2)

ええーそんな回り道!と思われるかもしれませんが、FF2を思い出してください。 FF2では帝国の「大戦艦」を破壊するためにカシュオーン城から「太陽の炎」をもって来なければならず、カシュオーン城に入るためには「女神のベル」が必要で、その「女神のベル」は「雪原の洞窟」に隠されており、そこに広がる雪原を抜けるには「雪上船」が必要という、恐ろしく込み入った依存関係がありました(まるで最近のRPMパッケージ並です)が、あなたはそれを乗り越えてきたのです、たぶん。(*3)

ちょっと長くなりましたで、続きは次回。
(なんか、FF2の分析に入るまでが長くなってしまいそうな……。がんばって短くします。)


(*1)

広辞苑「ロマンチシズム」の(1)に関しても僕の意見を言っておくと、ロマン主義はこのような歴史的な思潮を表すだけでなく、その時代に限定されない普遍性を(今では)もっていると思います。
またここで「ユートピア」という言葉が使われていますが、ロマン主義はユートピア主義ではありません。ロマン主義は存在しない理想郷を夢見るのではなく、現実に存在するか、かつて存在した具体的な世界を求めます。 また、その世界は生活が楽であることは意味せず、別の困難性をもっており、ロマン主義はそれを自覚します。 FF2の以下のエピソードを参照。

ヒルダ「元気になったのですね。よかった」
フリオニール「王女、私たちを反乱軍に加えてください!
ヒルダ「だめ、だめ!あなた方の力では無駄に命を落とすだけです。お家へおかえりなさい」
マリア「私たちの家はもうないんです。両親も…」
ヒルダ「ごめんなさい…そうだわ!よかったらアルテアで暮らしなさい合言葉さえ覚えておけば自由に暮らせます。合言葉は野薔薇です。忘れないように」
FF2攻略日記: オープニング

主人公たちはアルテアで自由に暮らすのではなく、反乱軍に身を投じることになります。 ちなみに、「反乱軍」、「野薔薇」はロマン主義的な言葉です。

(*2)

これについては反対意見あり。カール・シュミット『政治的ロマン主義』を参照。僕自身はシュミットには賛成しません。

(*3)

参考: FF DIC -FFシリーズ悪魔の辞典-の「ヨーゼフ」

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2ちゃんねるのアイヒマン

Posted by yatsu Wed, 30 Nov 2005 23:57:28 GMT

他者に追従する凡庸な人間の恐ろしさ。

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喫煙とよき生

Posted by yatsu Sat, 23 Jul 2005 01:54:00 GMT

タバコのパッケージに大きな警告文が載ったり、ファーストフード店の分煙が進んできているのを見て、人間にとっての「よき生」という概念の変遷を感じる。

古代ギリシアでは、生は人間の生き方を意味する「ビオス」と、単に生きていることを指す「ゾーエー」という概念に分けられていた。

かつて人間にとって喫煙により快楽を得ることは生の充実(ビオス)としての「よき生」を意味していた。ところがしだいに人間の関心は生命自体(ゾーエー)へと移り、禁煙によって健康を維持することが「よき生」を意味するようになった。

……と、私は考える。

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